生薬紹介 杏仁とは?
今回はご紹介する生薬は『杏仁』になります。
杏仁は、『杏(アンズ)』の種子から、仁を取り出して、乾燥させたものをいいます。
実は、同じ種子でも苦味のある苦杏仁と甘味のある甜杏仁の2種類あり、漢方薬に使用されいるのが苦杏仁で、主に食品として使用されているのが甜杏仁になります。注意したいことは、苦杏仁に青酸配糖体であるアミグダリンが含まれているため、過剰に摂取すると中毒になる可能性があります。ちなみに甜杏仁には含まれていないので安心です。
似たような生薬で、桃仁というものもありますが、使用目的は異なり、桃仁は主に『瘀血』をとる目的で、杏仁は『水滞』をとる目的で使用されています。同じバラ科の植物なのに使用目的が異なるのは不思議ですね。
杏仁は主に気管支や皮膚にたまった余分な水分を取り除くことで咳止めや去痰の目的で使用します。漢方薬の『麻杏甘石湯』などが代表的ですね。他にも、杏仁には油分も含まれているため、硬くなっている便を出しやすくする目的で漢方薬に配合されたり、杏仁の油は肌の保湿力を高める目的で化粧品に含まれていたりなど、様々な目的で使用されています。

参考:原典に拠る重要漢薬 平成薬証論 著者:渡邊武 発行元:雄渾社漢方出版事業部
訓和 古方薬議 木村 長久 日本漢方醫學會出版部
公益財団法人 日本薬剤師研修センター 漢方薬・生薬薬剤師講座テキスト
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