生薬紹介 茯苓(ブクリョウ)とは?
本日紹介する生薬は『茯苓(ブクリョウ)』になります。
『茯苓』はサルノコシカケ科、マツホドの菌核の外皮を剥いて輪切りにしたものをいい、いわゆる『きのこ』のようなものです。
茯苓は、中国最古の薬物書である『神農本草経』では上品に分類されている生薬で、水分代謝に関与している生薬の一つです。
その作用は、体内に余分に溜まっている水分を体外に排出する働き(利水作用)にあります。特に『胃内停水』という、胃に溜まっている余分な水を血液に送ることで、お小水から体外へ水分を排出します。結果として、胃の冷えをとり、消化管機能の改善、むくみ・めまいなどを改善させます。
茯苓単体では効果が薄いため、他の利水効果のある生薬の『朮』・『猪苓』・『沢瀉』などと共に漢方薬に配合されていることが多い生薬です。特に日本の気候は、多湿のため、皮膚からの水分代謝が悪いので、こういった生薬で、余分な水分を体外で排出する必要があります。
また、おへそそ少し上のあたりを押すと動悸を感じたり、胃がちゃぽちゃぽ音がするのを感じる人は、胃の中に水が溜まっているため、茯苓の証の一つとしてとらえることができます。
茯苓の配合されている代表的な漢方薬には、『桂枝茯苓丸』・『苓桂朮甘湯』・『十味敗毒湯』・『釣藤散』・『五苓散』などがあります。

参考:原典に拠る重要漢薬 平成薬証論 著者:渡邊武 発行元:雄渾社漢方出版事業部
訓和 古方薬議 木村 長久 発行元:日本漢方醫學會出版部
漢方薬・生薬薬剤師講座テキスト 発行元:公益財団法人 日本薬剤師研修センター
現場で使える薬剤師・登録販売者のための漢方相談便利帖 発行元:翔泳社
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